阿仁鉱 (Anilite) Cu7S4
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解説 阿仁鉱はCu7S4という化学式で表される銅の硫化鉱物の一種で,1969年,東京大学理学部鉱物学教室の森本信男・小藤吉吉郎・嶋崎吉彦による論文がアメリカ鉱物学会が発行するAmerican Mineralogistに報告されました。森本氏は阿仁鉱の発見により1981年6月2日に櫻井賞を受賞しています。 銅の単純な硫化鉱物としては,他に輝銅鉱(chalcocite, Cu2S)やデュルレ鉱(djurkeite, Cu31S16)、方輝銅鉱(digenite, Cu9S5)などが知られています。阿仁鉱は輝銅鉱に類似した外観を持ち,阿仁鉱山では石英脈の晶洞中に長さ5mmに達する柱状結晶として産しました。 阿仁鉱は室温条件下で乳鉢で粉末にすると結晶構造が方輝銅鉱に変化してしまいます。このことは阿仁鉱が合成実験では普通に出現する鉱物であるにも関わらず,天然では産出が少ないとされている理由と考えられています。つまり,もともとは阿仁鉱だったものが,検査のために粉末にした際に別の鉱物に変化しているのではないかというのです。 阿仁鉱が発見された阿仁鉱山は,秋田県北秋田郡阿仁町(現北秋田市)にあった浅熱水性銅鉱脈鉱床で,1574年(天正2)に向山銀山として始まり,1698年〜明治維新まで佐竹藩の直営鉱山でした。1885年に古河家に払い下げられ,以後は古河鉱業の鉱山として稼行され1979年に閉山しました。 |
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解説 黄銅鉱(CuFeS2)の約2倍の銅を含み,簡単に硫黄と分離して銅を取り出すことができることから、古くからの銅の重要な鉱石鉱物です。 化学組成はCu2S。結晶系は105℃以上で六方晶系,105℃以下で斜方晶系に属する同質異像鉱物のひとつです。モース硬度は2.5-3と軟らかく。比重は5.8です。 明らかな結晶になるものは稀で,多くは細粒状か塊状で産出されます。色は青みを帯びた暗鉛灰色で金属光沢をもちますが,空気にさらされると次第に無光沢の黒色になります。条痕は鉛灰色。へき開不明瞭で,断口は不平坦です。 硝酸に溶け,緑色の溶液をつくります。これにアンモニアを加えると青く変化することで鑑定することができます。 また,下の写真のように,木を置換して化石となったものもあります。 |
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解説 方輝銅鉱(digenite:ダイジェナイト)の化学組成はCu9S5になります。青みが強く,断口は貝殻状です。 |
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解説 デュルレ鉱(djurleite:デュレアイト) 化学組成はCu31S16になります。方輝銅鉱と輝銅鉱の中間の性質で,色は紫色がかります。尾去沢鉱山の方鉛鉱の仮晶をした輝銅鉱の研究から日本で発見された鉱物です。 |