珪化木


瑪瑙(メノウ)化した珪化木


珪化木の生成
 珪化木とは,地層中に埋まった木が,水に溶けていた二酸化珪素(SiO2)によって置き換えられたものです。これを珪化作用と呼びます。珪化作用を受けると硬い物質として保存されやすくなります。珪化木には年輪や木の組織がきれいに残っていることもあります。珪化が進み,瑪瑙(メノウ)やオパールになったものもあります。




年輪が残っている珪化木


オパール
 オパール(SiO2・nH2O)はガラス質(非結晶質,非晶質)で,地下水の中や低温熱水脈の中で生成されると考えられています。温度が低いため,水溶液中での原子の拡散速度が下がり,規則正しい結晶構造になる前に固まってしまうのです。


オパール化した珪化木


プラントオパール(PlantOpal)
 プラント(植物)・オパールは,植物の細胞組織に充填する非結晶含水珪酸体 (SiO2.nH2O) の総称です。シダ植物,コケ植物,イネ科植物の葉部(特に表皮細胞),樹木類の維管細胞と表皮細胞など珪素の集積しやすい箇所に形成されます。この非結晶含水珪酸体も常温(低温)でできるのでガラス質のオパールです。
 植物は二酸化珪素の含まれた水を根から道管をを通して吸い上げていますが,水は蒸発して,後に二酸化珪素の粒が道管内に残ります。稲やススキが風に強いのは,この二酸化珪素のおかげです。(稲やススキなどの葉で手を切ることがあるのもこのプラント・オパールの堅さのためです。)
 イネ科植物を中心に,一部の種については,形状により種を特定することが可能であり,古環境を推定する手段として利用されています。イネをはじめアワ・ヒエ・キビなど主要な雑穀類を含むイネ科植物の葉身中に存在する機動細胞(Motor cell)は,その細胞壁に珪酸が沈積しやすく,植物の種類ごとに特徴的な形状をしています。そこで,土壌中に残ったこの化石(プラント・オパール)を顕微鏡下で検出することで,給源植物を推定することができるのです。(特に,三内丸山遺跡におけるヒエ栽培の可能性(縄文時代)や稲作の伝搬経路(弥生時代)の研究は有名です。)
 稲の場合,プラントオパールの大きさは30〜40ミクロンでマサカリのような形をしており,1u中に1,000万個存在すると言われています。稲を刈り,わらを焼いてできた灰の90%はこのプラントオパールです。(水田から二酸化珪素を取りすぎると,次の年の稲は弱くなります。そこで灰を少し戻して,水田に流れ込む二酸化珪素を集めるようにしていたのが従来の稲作だったようです。)