鉛鉱物

 鉛は,よく「おもり」として使われる重い金属です(比重が11.34)。また,とてもやわらかく,比較的低い温度で溶ける(融点が327.5℃)ことが特徴です。エックス線や放射線を防ぐためなどにも使われています。
 さて,「鉛色の空」というと,どんよりと曇って今にも雨が降り出しそうな,暗い灰色をイメージします。鉛を含む主要な鉱物の方鉛鉱は,鉛と硫黄が結合した硫化鉱物で,その色はまさに「鉛色」です。しかし鉛は,化合物として結びつく相手によって,実にさまざまな色を見せてくれます。鉱物名に色が付いているものだけでも,白・紅・青・緑と様々です。

 白鉛鉱:炭酸基(CO3)と結びついた透明の結晶鉱物


 紅鉛鉱:クロム酸(CrO4)と結びついた化合物で,鮮やかなオレンジ色の結晶

※大きな結晶は,オーストラリア・タスマニア島のRed Leed(紅い鉛)鉱山に限られます。

 緑鉛鉱:リン酸基(PO4)と結びついた化合物で,鮮やかな黄緑色の結晶


 青鉛鉱:鉛と銅が硫酸基(SO4)と結びついた化合物で,明るい青色の結晶


 その他,バナジン鉛鉱(灰色〜赤色),硫酸鉛鉱(透明でアメ色),モリブデン鉛鉱(薄い黄色),ミメット鉱(黄色)などもあります。



緑鉛鉱 Pyromorphite Pb5(PO4)3Cl

解説
 緑鉛鉱の一般的な結晶は,緑,黄緑, 黄色 オレンジ,茶色と様々な色があり,樽型の六角形で頭は角錐叉は平らな形をしています。
 緑鉛鉱は燐灰石( Ca5(PO4)3(F,Cl,OH) apatite:アパタイト)と同じ構造を持ち,2つの結晶は同じ形状になることがあります。そして,化学式”Pb5(PO4)3Cl”の鉛の一部はカルシュウムに置き換わることがあります。
 また,ミメット鉱”Pb5(AsO4)3Cl”およびバナジン塩鉱”Pb5(VO4)3Cl”と同じシリーズであり,,リン酸塩(PO4),砒酸塩(AsO4)およびバナジウム酸塩(VO4)が入れ替わります。また、(PO4)は(AsO4)に連続的に置き換わることができるため,ミメット鉱との中間的なものもあり,カンピ石と呼ばれています。


青鉛鉱 Linarite PbCu2+(SO4)(OH)2


 青鉛鉱は,黄銅鉱,閃亜鉛鉱,石英などかな成る鉱石の表面および空隙に,濃青色半透明の針状微晶が放射状あるいは不規則集合をなして産出します。石英の結晶間隙には,柱状結晶が成長することもあります。