石英(クオーツ:quartz)

石英(荒川鉱山跡産)

紫石英(深沢鉱山跡産)

解説1(石英の物理化学的データ)
 ・結晶系:六方晶系(高温型)、三方晶系(低温形)
 ・化学組成:SiO2
 ・屈折率:1.544-1.553
 ・モース硬度:7
 ・比重:2.66

解説2(石英の仲間たち)
玉髄(ぎょくずい)(カルセドニー:chalcedony)=塊状・潜晶質集合体(微細な粒子が寄り集まった構造)の石英です。

 ・瑪瑙(めのう)(アゲート:agate)=縞模様のある玉髄です。瑪瑙の由来は、原石の外観が馬の脳に似ていることによるそうです。
 瑪瑙は宝石として最も古くから使用されていたもののひとつで、ローマ時代の文献や、日本書紀にも登場しています。また、瑪瑙の玉は、お釈迦様の骨(仏舎利)として、お寺奉納されているものもあります。

 ・オニキス(onyx)=2色以上の色を有し、色の境界面がほぼ平面である玉髄です。色は通常白と黒で不透明です。多くは「カメオ」に加工されます。地色の内1色がオレンジを基調としている場合にはカーネリアンオニキス、ブラウンを基調とした場合にはサードオニキスと呼びます。

 ・紅玉髄(カーネリアン:carnelian)=オレンジを基調色とする玉髄です。色は熱処理に因る場合もあり、ツタンカーメンの遺跡からも、熱処理を経たカーネリアンが発見されているそうです。

 ・緑玉髄(クリソプレーズ:chrysoprase)=やや黄色味がかった緑色の玉髄です。青色石英(ニッケルとマグネシウムを含むために青色に発色した玉髄)もこの仲間と思われます。

 ・碧玉(へきぎょく)(ジャスパー:jasper)=酸化鉄が混入して不透明になった玉髄です。オニキスなど、特定の変種名がつけられていないカルセドニーは、全てジャスパーと呼びます。

 虎目石(タイガーズアイ:tiger's eye)=石綿(アスベスト)が入った(置換した)石英です。

 インド翡翠(アヴェンチュリン:aventurine)=緑色の雲母(フックサイト)を含む石英です。(翡翠ではありません。)結晶しにくい性質で「緑水晶」になることは稀です。
チャート=主に微細な石英の粒からなる緻密で硬い堆積岩です。少量の不純物がチャートの多様な色調の原因で、灰色は雲母粘土、緑色は緑泥石、赤褐色は赤鉄鉱、黒色は二酸化マンガンと炭物質によるものが多いようです。
オパール(SiO2・nH2O)=二酸化ケイ素(SiO2)に水が加わった鉱物です。形成された温度が低温であったため、結晶化することが出来なかった石英です。
 大きく2種類あり、1つは、固化した溶岩に二酸化ケイ素に富んだ熱水が作用して形成されたオパールです。内部構造が均質になっており、透明度が高く、燃えるような色をしているのでファイヤーオパールと呼ばれています。
 もう1つは、二酸化ケイ素に富んだ温水が堆積岩に作用して形成されたオパールです。内部構造が不均一で、透明度が低く、堆積岩中にの貝や木、さらには恐竜の骨がオパール化したものもあります。

解説2(水晶の仲間たち)

山入水晶=一度できあがった水晶が再び成長を始めたために,水晶の中に水晶が入っているように見えるものです。つなぎ目が山の形をしているので、山入水晶と呼ばれています。(ゴースト水晶とも呼ばれています。)

水入水晶=結晶が成長する過程で,水が閉じこめられた水晶です。

草入水晶=角閃石や電気石や緑簾石(りょくれんせき)などの細かい結晶が入っていて,それが草のように見える水晶です。

針入水晶(サージェナイト:sagenite)=肉眼で確認できるニードルインクルージョン(針状結晶)を内包する水晶です。インクルージョンの配列に規則性が有れば、キャッツアイ、あるいはスターを呈する可能性があり、その場合には特殊効果を冠した名称が変種名となります。
 ・ルチレイテッド=金紅石(ルチル=スタールビーやスターサファイアのスター効果の原因となる鉱物です。)の針状結晶を内包する針入水晶です。
 ・トルマリネイテッド=黒いトルマリンの針状結晶を内包する針入水晶です。

星入り水晶=ホランダイト( Ba(Mn4+Mn2+)8O16)の放射状針状結晶を内包する水晶です。

煙水晶(スモーキー・クオーツ)=水晶を構成するケイ素の一部がアルミニウムと入れ代わると、リチウムが結晶のすき間に入り込めるようになります。リチウムは小さい原子なので、結晶のすき間を埋め尽くすことができます。この様な水晶は、全ての可視光線を吸収するために、全体として黒くなるのです。このようなことが起きる原因は天然の放射能だと考えられています。実際、煙水晶を加熱すると煙色が薄くなり、透明になる場合もありますが、放射線を照射すると煙水晶に戻るそうです。

黒水晶(モリオン)=リチウムの混入が原因で黒ずんだ水晶が、さらに放射線の影響で結晶構造が破壊されてできたものです。

紫水晶(アメシスト)=微量の鉄(Feo4)を含み,それに天然の放射能が影響してイオン化し,水晶を構成するケイ素と入れ代わったために、一部(緑色あたり)を吸収するようになり、紫色に発色した(吸収されなかった光の色が紫に見える)水晶です。(したがって、紫外線等で色あせてしまうことがあります。)
 アメシストの語源は、ギリシャ神話といわれています。(ある日、酒の神デュオニュソスは、最初に合った人間を家来のピューマに襲わせることにした。その最初の人間がアメシストという名の少女だった。彼女は月の女神アルテミスの所へ行くところだった。ピューマの牙から守るために、アルテミスはアメシストの体を大理石に変えた。これを見た酒の神デュオニュソスは悪いことをしたと反省し、アメシストの体にブドウ酒をかけてやった。すると、アメシストの体は紫色の宝石に変化したのであった。)
 この神話のせいか、西洋では、アメシストでできたグラスでワインを飲むと悪酔いしない。また、アメシストは酒に強くなる石。といわれているそうです。

黄水晶(シトリン:citrine)=紫水晶と同じく鉄イオン(Fe2o3)による発色ですが,天然のものは少なく,多くは紫水晶の加熱処理で生成されています。(稀に,硫黄が入り込んだために淡い黄色になるものもあり,レモン水晶と呼ばれます。)

アメトリン(ametrine):アメシストとシトリンの色を併せ持つクオーツ

赤水晶=不純物として含まれている酸化鉄の色で赤く見えます。鉄水晶と呼ばれることもあります。酸化鉄の濃度が低いと、色はオレンジ色となり、オレンジ水晶とよばれることもあります。

紅石英(バラ石英:ローズ・クオーツ)=チタンが含まれていることがピンク色の原因と考えられています。紅石英はよく産出しますが、自形(結晶本来の形)を示さない場合がほとんどで、「紅水晶」となることは稀です。