ヤブコウジ 藪柑子 ( Ardisia japonica )

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分 類
 ヤブコウジ科 ヤブコウジ属
特 徴
 常緑広葉樹林域の森林に生育する常緑小低木で,樹高は10cmから20cmほどです。
 地下茎で増えるためにかなり広い面積で群生しています。地上茎はほとんど枝分かれしないようです。
 ヤブコウジはあまりその姿を変えません。そのわけは,照葉樹林の下で生きる植物だからです。 照葉樹林は高木から低木まで,常緑の木ばかりの林です。 暗い林の下のほうでは,茎を伸ばして少しぐらい高い位置に葉をつけても光条件は大して改善されません。 それを悟っているかのように,ヤブコウジは上にはほとんど茎を伸ばしません。その代わり,地面に水平に這わせた茎をきわめてゆっくりと成長させながら,さし込む光が少しでも多い場所を探しているようです。
 暗い場所で生きるヤブコウジの葉の寿命は相当長く,少なくとも数年間は同じ葉をつけ続けます。また、実らせた果実も,鳥などの種子散布者が見つけてくれるまで,できるだけ長くつけています。
花や実
 2年目以降の茎には5月頃〜夏に花が数個付きます。
 紅葉が赤く染まる頃,半日陰の地面に赤い実を付けます。冬まで残っている場合も多いようです。
語 源
 ヤブコウジの名は近代になって付けられたもので, 古くは赤い果実を山のミカンに見立てたヤマタチバナ(山橘)の名で良く知られていたそうですが,それがヤブコウジ(藪柑子)になったといわれています。( タチバナはコウジミカン(柑子)の古名です。)
別 名
 十両(ジュウリョウ)
近似種
・万両(マンリョウ) ヤブコウジ科
 関東以西に分布します。センリョウと比較して,より果実がたくさん付き,美しいとの意味でマンリョウというそうです。
・千両(センリョウ) センリョウ科
 本州中部以南に分布します。草珊瑚(クササンゴ)とも呼ばれます。
・百両(ヒャクリョウ) ヤブコウジ科 =カラタチバナ
 江戸時代のタチバナは非常に高価で,百両以下では手に入れることができないため, 「百両金」と呼ばれましたそうです。
 タチバナは, 現在では,新潟県と島根県で約50種が育てられていますが,数が少なく,絶滅が心配される古典園芸植物の一つです。
・一両(アリドウシ:蟻通し) アカネ科
 アリドウシとは,その刺針が蟻を刺し通すほどの鋭さであることの意味だそうです。これが,秋につけた実が翌年まで持つことから,「有り通し」(いつもある)という意味に転じたそうです。